2021-01-01から1年間の記事一覧
←前 「…………、」 あまり、驚いた様子はなかった。むしろ、やはりそうだったのかとどこか諦めたような、けれども嘘だと言ってほしかったと悲しいような、そんな複雑な表情。自分が海竜だ、それだけならいい。自分が、北海地方を、多くの人を海に還した存在なら…
※総集編みたいな感じ ※1~23話全部見た上で読むことをお勧めする! 「……あら。」 必要物資を取りに、北海地方に向かってから3度目のリューン。ラドワが夕方に海鳴亭へと戻ると、カウンターに見覚えのある男の姿があった。基本的に人の顔を覚えることがない…
←前 ロゼが宿泊している宿はすぐに見つかった。なんなら夕食も一緒にした。石を渡したことも、家族と話をしたことも伝えた。一方的にラドワからロゼに会話をし、一通り報告が終われば小さな声を零した。 「……そう。……ごめんなさい。」「何であなたが謝るのよ…
※2/3くらいオリジナル ※外伝6の翼と雪を読んでると分かりやすい(読まなくても可) ※後半最後R-15っぽいから注意 白銀都市スノウ=レイ。北海地方の最南端にあり、現在北方地方では最も人口も多く、発展した街である。スノウ=レイがあるためここまで馬車が…
※時期はリプレイ22-4の最後のところ※珍しくまともなリプレイ はじめて声をかけたのは、彼女が空腹のときだった。迷子の彼女と、パン屋に行った。 波の音が聞こえる。水平線上に立っていた自分を見た彼女が、何かを言って微笑んでいる。 ―― その日は酷く曇っ…
←前 ラドワたちの方で決着がつく少し前のこと。 「……呪歌の欠点は、発動の遅さ。そんなこと、私たちが分からないはずないでしょう?」「ぐ……く、そ……!」 あの後。クレマンもミュスカデも、アスティとロゼの攻撃を打ち消す、あるいは回避するという行動を取…
←前 村の者らは極力遠くへと逃げた。しかし、この村にとって、カペラやゲイルは特別な存在だった。痣のある者は神に選ばれし者。元々は統合される前のどこかの村の言い伝えだったが、統合されてからも受け継がれていったらしい。ミュスカデも、その一人だっ…
←前 「お帰り。進展は……その様子だと、アスティは何か思い出した?」 流石に留守にしていた間誰もいなかったため埃がひどかったらしい。家に戻ると、掃除をしているロゼが2人を出迎えた。ラドワの姿が見えないので場所を聞くと、転移術の試運転中だそうで問…
※オリジナル回だぞ ※割とファンサ(?)なところある 「……私が……神として祀られていた可能性、です、か?」「えぇ、狼神の一件で全部確信に至ったから話しておこうと思って。」 狼神討伐の依頼の後。海鳴亭に帰り、皆が自室に戻る前にラドワは全員を呼び集め…
※ギャグとシリアスの温度差が凄いぞ※オリジナル設定あり 「断固反対だ!!」 バンッ、とテーブルを叩きつけ、大きな音を立てアルザスは仲間に怒鳴りつける。やれやれ、とため息をついてロゼは冷静に、合理的な意見を返す。 「しょうがないでしょ?こん中で一…