※これはライト版アルカーナムでお送りします。現代にアルカーナムの作成者、シャルルを呼んで各アルカーナムに会わせて対談式で各キャラを掘り下げていこうという試みです。
完全にギャグ時空でお送りします。特定の定期に出したキャラは、その特定の定期後の状態で会話をさせます。
※アイコンはルルクスさんより
※このオクエットはシマナガサレ本稼働1回目の後を想定しています
0.挨拶
「8番、力のタロットカード、オクエット。『メンテナンス』の時間だ」
「おぉ、これはこれはシャルル様ではないか!
現世に何用だ? 未練があるのか? どれ、余が成仏へと導いてやろうぞ」
「遠まわしに死ねって言われてない? 俺はお前の作成者だが?」
1.作成ノート
「Ⅷ STRENGTH。力のタロットカード。強い精神性を示すカードだ。
力を振るい暴力を行使するのではなく、その精神性で力を制御することを意味している」
「知性や理性なく力を振るう者を『獣』と比喩する者が多い。こいつをビーストテイマーとして作ったのもそこからだ。
力を獣に例え、それを精神的な力、霊力によって制御させることで力のタロットの意味を示唆させている」
「領主として、上に立つ者として作ったことにも意味がある。このタロットが示す力はゆっくりと動かしていくもの。
逆位置では他人任せや無気力、弱い意志などといった諦めの意味となる。その二面性を持たせるにも都合がいい」
「……しかし」
「うむ! あれは合法的にしばけるな! 我が剣でぶちのめしてやろうぞ!」
「時々とんでもなく蛮行に走ろうとするのは何だ?」
2.能力について
「強い精神性、となれば霊力を中心とした力を持たせる以外にないだろう?」
「動物を従える力だけではなく、剣技も法力も扱える。他の大アルカナと比べても、かなりできることが多く万能に作られておる。
これには何か理由があるのか?」
「上に立つ者としての説得力は必要だ。聡明でなくとも教養は必須。魔物を倒せ村を守れる者がいい。
実力がない者には誰も従わないからな」
「そして人が良い、と。民思いで優しきリーダーでないと見放されるということだな」
「その通りなんだがお前自身が言うと否定したくなるな」
「何故!?」
「因みに法力が転じて回復まで使えることはびっくりした」
「汝が作っておいて!?」
3.性格について
「上に立つものとしての意識、風格、そして正しく民に寄り添えるように性格を組んだ。
その結果か、民を危険にさらさないよう保守的な思想になった」
「二面性がすごい、とよく言われるぞ。
子供としての精神の幼さと、作られた性格としての精神の成熟した部分のどちらも備わっていると」
「上に立つ者意識から、己の立場やアルカーナムの意識もかなり強いな。
よく言えば使命に忠実、悪く言えば融通が利かん。俺にとっては理想のカードだがな」
「そのせいで死にかけたが」
「お前が壊れてでも使命を尽くそうとしたからだろ」
「そのように作ったのは汝であるが?」
4.人間関係について
「小アルカナと特に上下関係がある。大アルカナのカーストを考えても、立場上かなり上になるか」
「そのせいで友人に恵まれんでなあ。エヌくらいだ、余と対等に在れるのは」
「対等か?」
「対等だが?」
「……まあいい。エヌを人狼として作ったことは確かだが、そこの繋がりが強くなったのは私も意外だった。
人狼すら従えてしまったかこのビーストテイマーは」
「あやつは生活に無頓着であれば夜泣きが酷い。聡明であるが精神的に不安定すぎる。危なっかしくて見ておれぬのだ。
そして世話を焼き、面倒を見るようになり今に至る、というわけだな」
「対等か?」
「対等だが?」
5.道具の思想
「占いの天啓をもたらす道具として、我らアルカーナムという存在を誇りに思っておるぞ。道具は目的があり作られるもの。
その目的の通り使われることこそ我らが喜びだ」
「100点満点だな、素晴らしい。余計な私情を持ち込まず、人を導く道具の模範だ」
「しかし、私情を持ち込んでしまう余の不甲斐なさもある。
余の感情と示した占い結果に齟齬がある場合、どうしても心が痛んでしまうのだ」
「それでも私情を持ち込むことは許されていない。占い結果のままに動くようにできている」
「本当に主様はカスであるな!」
「こいつ言いやがった」
6.外の世界に対して
「恐怖、が強いかもしれぬなぁ」
「え、お前をそう作った覚えはないが」
「アルカーナムは変化せぬ世界。外の世界は変化が当たり前だ」
「人が死ねば生き返らぬ。時の流れが違いすぎてすぐ人間は老いる。村どころか国すらすぐに亡びると聞く。あぁ、なんと恐ろしき世界であろうか」
「故に、恐怖が最も適切であろう。
アルカーナムでは村が滅んだとしても、役割が変わることも民が死ぬこともない故な」
「保守的だ……」
7.人間に対して
「少し難しいな。守るべき生でもあるが、やはり彼らは使用者だ。我らより彼らを最優先すべきだと思うておる」
「道具は人間に使われてこそ、だ。対等など決してあってはならぬ。だが我らにも心はある。隷属のように扱う人間は感心せぬよ」
「とはいえ、正しき在り方なのだろうな、とは思う。情を持たされた道具というのもなかなか難儀だ」
「俺が言うこと何もなくない?」
8.魔女に対して
「調子が狂うことが多いが概ね好きだぞ」
「概ねか。珍しいな、良心的な者には無条件に好意的になるよう作ったつもりだったが」
「考えていることがよく分からぬことがあってな。掴みどころがなくて、よくペースを乱される。
あれだ、テラートのようなのだ」
「あぁ、……」
「やめろ、納得しかけただろうが!
俺テラートが苦手なんだよ! トラレのことも苦手になるだろ!!」
「テラートを作ったのは汝だが?」
9.シャルルに対して
「占いバカだな!」
「主人に対する口の利き方!!」
「だが主人に対してなんの情も持たせなかったのは汝である。これは誉め言葉だ、汝のようなバカがいるおかげで今の我らがおる。
このような頭の悪い魔法具を作るなど、とんでもないお方だ。研究者とはバカばっかなのだな」
「……こら、それではエヌもバカになるであろうが!」
「ボロクソに言われた上逆ギレも甚だしい!! お前にとってあいつはバカじゃないのか!!」
「あやつは人として残念なだけだ!!」
「結局褒めてねぇーーー!!」
10.道具から主人に質問
「一つ尋ねたいことがある。何故余を子供として作ったのだ?
子供には余の立場は辛いであろう?」
「辛いと思っていたのか」
「余はそのように作られておるが故何も思わぬよ。
が、もしトゥリアなどがこの立場に居れば、良心を痛めたであろうと思うてな」
「そりゃ、そのように作ってないからな」
「そうであるがそうでなくってだな」
「理由はある。子供の方が心が純粋だからな。
自分の心に従って行動させるには、知識や経験が豊富になる大人より都合がいい。強い精神性を持っていることが最優先されるからな」
「その心をコントロールさせるために、精神性は成熟させた。
とはいえ、子供には変わらんからところどころ子供らしくはなるがな」
「ほう、ちゃんと理由があったのか。てっきりロリコンだからかと」
「子供の道具を作ればすぐロリコンっていう文化どうかと思うんだが」
おわりに
「お前は俺の作った道具の中でもかなりアルカーナムとしての在り方を守っている。
しかし、良心を捨てきれず、融通が利かず、柔軟な対応力に欠ける」
「頼りになるのか危なっかしいのか分からん。
ただ、心を壊してでも占いの結果や自身の役割を遂行しようとするのはやめろ。上手く割り切れ。俺の道具だ、勝手に壊れることは俺が許さん」
「シャルル様……」
「……占いの結果のままに動くように作ったのは汝ぞ? 身勝手どころではなくないか? 壊れてもよいから占いの結果に忠実に在れと作成しておるのは汝ぞ?」
「だから割り切れと言ってるんだ!! 良心を捨てろ!!」
「できなんだから壊れたと言っておろうが!!」