海の欠片

わんころがCWのリプレイ置いたり設定置いたりするところです。

獣化世界(天威無縫) 世界観

■更新履歴
・項目「詠唱」の追加

■はじめに
この世界観でキャラクターを作り、定期ゲームに投下することを許可しています。その他、この世界観を利用して何かしらの創作をする場合はわんころまでご一報ください。基本おっけー出します。



■ざっくりとした世界観
現代ではあるけど、現代のようにはならなかったお話。
人間をはじめ、『獣性』が発達し、身体に獣を降ろすことで驚異的な身体能力を得た『異能者』たちの世界。元々は動物が突然変異を繰り返し急に進化し始めたが、人間には獣性が薄かったため『動物の遺伝子を身に組み込み、人間も世界に順応しよう』としたことが始まり。今やそんなことも過去の話で、「人間も獣であり、目覚めた獣の本能を振るいかざして生きている」と説かれている。
文明レベルはファンタジー世界観に現代の要素が加わった感じ。水道と電気はあるけどガスはない。電気は人々が戦った際に発生する力を回収+野性動物の素材から錬成。イメージとして近いのはポケモンのガラル地方からビル系の建物を撤廃した感じ。現代にもあるものが、現代ではない物と理屈で流通してるって考えるといいかも。

獣性が強まった結果闘争本能も高くなり、喧噪や乱闘は絶えない。その闘争本能を満たすため、ルールに則り戦う「決闘」という文化が築かれた。闘技場は数多く立ち、ファイトマネーで生計を立てるものも多い。また、戦いを好まないものは他者の闘争を見て満たすこともある。

町の外には突然変異で超巨大化&凶暴化した野生動物の巣窟。流石に野生動物と言えなくなったため、モンスターと呼んでいる(人間に宿した動物の力を「野性」と呼ぶため、野生動物と言うとこの世界では違う意味になるため)。街に来ると被害がやばいため、来ないように町の周辺は討伐が必要。そういうこともあり、この世界では「戦闘できる人」の需要が大変高い。
モンスターに固有名称はなく、「〇属性〇〇型」と呼ぶ(例:火属性犬型)

まとめると、「人間が獣性を爆発させ戦いたーのしー! をしてる」世界。


■血族
身に宿した動物単位で『血族』と括る。例えば犬を宿していれば犬の血族。犬種までは問わず、大雑把な括りでひとまとめにする。血族同士の仲は血族に当たるものや家柄次第(例えば兎は基本的に仲間意識が強いが、猫は縄張り意識が強い故に同族に敵対意識が強いなど。勿論いくらでも例外はあり)。
これが家族単位になると「血筋」になる。血筋のルールがやばいところ、ありそう~


■信仰
主に4つの信仰がある(信仰というか思想)。
何を信じるかは自由だが、信仰の押し付けはNGとされている。基本的に「自分と違う信仰者がいないと生きていけない」事実があるため、8割くらいの人間は別信仰を受け入れられる傾向にある(獣乱信仰は別)。2割は特定の信仰者に過激だったり否定的。
この4つ以外は血筋からの信仰や土地柄なものに由来するため、「土着信仰」というその他の信仰でひとくくりにされる。

・獣心信仰
「汝、獣となりて本能のままに生きよ」
一番メジャーな信仰。信仰というか思想。神に祈らない。己の肉体や野生を肯定し、受け入れる教え。かつての遺伝子操作の忌避感を受け入れるための文句が信仰に転じ、志となっている。
この世界は「闘争」「喧嘩」「決闘」が肯定されているため、本能のままに生き身勝手であることはむしろ善とされる。治安の終わり。

・獣静信仰
「汝、人となりて本能を押さえよ」
要するに「人間として生きよう」の思想。獣心信仰の真逆を行くが、この者らのおかげで文明が終わりきっておらず、独自の文明が築かれ守られているため、意外と他の信仰の者からも肯定されている。というか頭が上がらない。
理性的なものが多いが、本能を抑え込むため異能力は弱いことが多い。

・獣愛信仰
「汝、獣も人も等しく争うことなく愛せよ」
平和思想。他者と協力し生きようとする思想。戦いに向かない血筋の者が属している。獣心信仰から敵視されやすい。しかし医療関係や治癒異能持ちの多くはこの信仰であるため、争いが絶えない獣心信仰の者ほどお世話になる皮肉っぷり。

・獣乱信仰
「汝、世界を脅かす獣を排除せよ」
別名「邪教」。獣性が肯定され、強く信仰される中でそれを悪だと唱える信仰。人間はその獣性により本来の文明を失い、獣によって立場を脅かされたのだと説いている。困ったことに真実だしその通り。
最初からこの信仰を抱いているものもいれば、他の信者が何らかの理由でこちらを信仰し始めることもある。この場合、「堕ちる」と言われる。自身の獣性を殺して無害な思想もいれば、自身の獣性を使って多の獣を殺めようとする過激派もいる。


■野性
身に宿した動物の力を「野性」あるいは「異能」という(基本的に前者を使う。本来の意味の「野性」も使われる)。
野性によって自身の身体能力や得意能力が異なり、人間のそれを凌駕する。また、1つ何かしらの属性を所有している(属性は後述)。
親の野性が子に受け継がれる。親の野性が異なる場合、どちらかの野性のみ所有する。突然野性が数代昔の親のものになる「先祖返り」が起きることもある。先祖返りが起きた場合、突然変異個体であることが多く、強力な野性になる場合が多いが精神的に不安定、力の制御が下手など、何かしらのマイナス要素も付随しやすい。上手く子を成せないことが多い。成した場合、子は安定した強い力を授かりやすい。

野性の内包には3タイプある。

憑依(ポゼッション):身体に宿しているタイプ。肉体変化が起きたり一時的変化が可能だけど、行き過ぎると獣化する。一部身体変化してるタイプもいる。身体から離れると変化が保てなくなり消滅するが、強くなると身体から離れても消えなくなる。
共鳴(レゾナンス):精神に宿しているタイプ。身体変化こそ起きないけれど、属性攻撃が得意だったり獣としての精神を同化させて戦うタイプ。行き過ぎると獣の精神性に成り下がる。
契約(カヴァメント):動物そのものと繋がりを築くタイプ。野生が守護霊のように、霊体のように存在する。行き過ぎると二重人格化したり、その霊体に食われて乗っ取られる。

また、野性には強さによりランク付けがされている。低いほど弱く、高いほど強い。最低は1、最大は5。
弱いほどコントロールしやすく精神的にも安定しているが、戦闘や野生能力の伸びしろが低い。
高いほどコントロールが難しく精神的にも不安定になりやすいが、戦闘や能力の伸びしろが高い。

「憑依と共鳴の差は、獣に変化するかしないか」が10割であるため、共鳴タイプを「憑依の完全下位互換」と考える者もいる。憑依タイプでも属性攻撃が得意な者がいたり、精神が獣のそれに侵されることも多いため。


■属性
火、風、土、水、光、闇の6つ。火→風→土→水→火、に有利で光と闇は相互に有利。主属性が1つあり、対応する属性の副属性が0~2個ある(基本0)。副属性の方が主な属性となる場合があるが、自身の主属性には影響せず、弱点も変わらない。
副属性は主属性とは相性が変わる(例:水or風の派生でで氷の副属性。氷は火と土に小特攻)。
副属性は主属性としては所持せず、技にのみ適用する(氷メインキャラがいても、キャラとしては水属性)。
親の属性を受けつぐとは限らないが、受け継ぎやすい血族はある。
副属性は派生元となる主属性こそあるが、極稀に関係ない主属性から副属性が生まれることがある(主が水であり、副が雷など)。また、野性の性質として影響が変わる場合もある(変温動物の野性に氷が特攻など。個体差が大きい部分)。

一例(実際はもっとたくさんある)
熱:火or水派生。水と風に小特攻。
氷:水or風派生。火と土に小特攻。
雷:火or風派生。水と土に小特攻。
草:風or土派生。土と水に小特攻。
毒:水or土派生。闇以外に凡そ通用。
鉄:土or火派生。風に特攻。
陽:光派生。火を強化。
天:光派生。風を強化。
月:闇派生。水を強化。
星:闇派生。土を強化。



■野性表記(カルテデータ)
カルテ=診療録
病院で調べられ記載されるデータのため、野性動物の詳細データを「野性カルテ」や「野性カルテデータ」と呼んでいる(本能や野生が病的なものという暗喩でもある)。もっと省略してカルテと呼ぶことも。
カルテデータの表記方法は以下の通り。

タイプ記号
P:憑依(ポゼッション)
R:共鳴(レゾナンス)
C:契約(カヴァメント)

属性記号
F:火(ファイア)
A:水(アクア)
E:土(アース)
W:風(ウィンド)
L:光(ライト)
D:闇(ダーク)

特異種記号
α:変異種。アルビノや複数羽など、本来の動物から離れた姿を持つもの。
β:先祖返り。親の野性ではないもの。
γ:薬物や病など、上記とは異なる要因により特異種になったもの。要はその他。

野性表記の後ろに強さを示す1~5数字をつけ、属性記号、野生動物の種類の順で記載する。
特異種である場合、野性動物名の前に記号を付ける。
何らかの理由で能力を増強・抑制している場合、表記は本来通りに記載したのち増強している場合は+、抑制している場合は-をつける。この場合、能力だけではなく精神的なものや思考回路に対しても+-の記号は適応される。ただし外に出すカルテデータの+-表記は自由。野性の強化・弱化の理由も感情も数多であり、明記した結果攻撃されることも珍しくはないため。

例:
R3 F-Rabbit(共鳴型型ランク3 炎属性のウサギ)
P5 L-α Crow(憑依型ランク5 光属性の変異カラス)
P2- E-Frog(憑依型ランク2 土属性のカエル 薬で野性を抑制している)


強さの判断基準
薬の使用を考慮しないものとする。また、本人が不可能であっても潜在能力があると判断された場合、潜在能力に合わせたランク付けが行われる。

・憑依型
P1 爪が伸びる、髭が生えるなど、何の野性か判断しづらい特徴の変化(変化が微細)
P2 耳や手など、野性が判断できる明らかな変化が起きる
P3 毛や羽などが身体から離れても消えることがない。腕や足など四肢の1つ以上の変化が起きる
P4 常にどこかが身体変化している or 身体の5割以上を獣化させることができる
P5 常にどこかが身体変化している & 身体の8割以上を獣化させることができる

・共鳴型
R1 野性と自意識が混濁せず、野性を客観的に観測できる
R2 野性と自己が同化するが、その自覚がある
R3 戦闘や野性の使用時、野性と自己が完全に同化している
R4 戦闘や野性の使用時、自己以上の野性が発現し、意思疎通が困難になる
R5 日常でも野性に自己を曖昧にされる(異常に過激、情緒不安定など)
※R4、R5でも自意識を保てる者はいる。同時に病や野性の暴走で自己意識が曖昧になるものもいるため、あくまでも「野性が与える影響」で判断する

・契約型
C1 視認不可。本人のみ存在を知覚できる。すぐ傍にしか存在できない。
C2 視覚可能。ぼんやりとした霊体のような存在。10mほど離れられる。
C3 視覚可能&対話可能。はっきりとした獣の形をしている。100~200mほど離れられる。
C4 視覚可能&対話、干渉可能。800~1000mほど離れられる。
C5 上記に加え、野性がはっきりとした自由意志を持つ。どこまででも離れられる。

 

 

■詠唱
この世界での詠唱は『一定の効果を安定して再現する』ために使用するものがいる。
野性は感覚的に使う者が多く、結果をイメージすることで野性を行使する。そのため、詠唱を利用することでイメージがブレることを防ぎ、安定した効果を発動することができる。このようにして彼らは『技』を編み出していく。
そのため、詠唱は必須ではない。心の中で唱える者も居れば、無意識に技を使用できる者もいる。



■天候
天候は特定の属性に有利・不利を齎す。雨の中では火属性は野性が弱体化し、水属性は逆に強化される。また、個人単位に「得意とする天候」が存在する場合もある。滅多にないが、火属性でも得意とする天候が雨天であることもある。その場合は火属性であっても雨の中野性の出力が上がる。

属性による傾向
・火属性:天候に左右されやすい 晴天であれば強化され、雨天であれば弱体化する
・水属性:天候に左右されやすい 雨天であれば強化され、晴天であれば弱体化する
・風属性:有利天候が多いが、現在風量に依存しがち
・土属性:天候に左右されにくい
・光属性:光量に依存する(多いと強化される)
・闇属性:光量に依存する(少ないと強化される)


以下、天候の一例である。
・晴天:光↑ 闇↓
・月夜:闇↑↑ 光↓↓
・快晴:炎↑↑ 光↑↑ 水↓↓ 闇↓↓
・雨天:水↑↑ 闇↑ 炎↓↓ 光↓
・風雨:水↑↑ 風↑↑ 闇↑ 炎↓↓ 土↓ 光↓
・砂嵐:土↑↑ 風↑↑ 水↓ 光↓
・吹雪:風↑↑ 水↑ 炎↓↓
・曇り:変化なし
・濃霧:水↑ 火↓ 風↓↓


■モンスター
野生動物が急激に進化し、巨大・凶悪になったもの。モンスターに固有名称や種類はなく、元になった動物+属性で「〇〇属性〇〇型」と呼ぶ(例:火属性犬型)。本来の動物の面影はあるものの、現代でいう架空生物のような禍々しい見た目をしている。ファイターには野外調査や討伐など、国や街の外に出る仕事もある(任意ではあるが、これをやる・やらないでは名声が段違い)。
巨大なものばかりで、大きさは本来の10~1000倍ほど。種類でこそまとめられないものの、属性と元になった動物が一致していれば同一性質の素材が得られる。得られる素材は殆どが暮らしの何かしらに役立てられるので、捨てられる部位は殆どない。
肉は食用になる。人間は同一属性の肉は美味しく、不得意属性の肉はまずく感じる。同一属性は野性強化の恩恵があるが、強化されすぎて暴走の可能性があるので注意(逆に、不得意属性の肉には減退作用がある)。現在では属性を排除する加工法(ミントを加工する肉の不得意属性が豊富な土で育成し、それをハッカ油にして1000倍希釈したもので3時間漬け込む)が発見されたため、無属性の肉が一般流通している。
気性が荒くなった結果、群れる個体は少ない(本来群れを成していた動物はたまに群れる)。人間と熊みたいに、人間が住んでる、って場所は意外と入り込んでこない。それはそれとして危ないから周辺地域のモンスターは討伐するけど。



■職業
野性を利用した職業には専用名称がある。
勿論現代の我々にとっての一般職業もあるため、この世界での固有職を取り上げる。

・サヴァジャー
ジャンル:戦闘
「闘う者」の総称。免許があり、ファイターになるには試験管と戦って試験に合格する必要がある。そこまでめちゃくちゃ難しい試験ではなく、R1の人間でも突破できる。
この免許を持っていれば闘技場に出られる他、戦闘が関与する仕事ができたり自由に街の外に出られるようになる(免許を持っていない者は、必ず護衛をつけて街や村の移動をする必要がある)。
名前の由来はsavage(野性、畜生、残忍な、など)から。本来の意味はかなり過激な意味だったけど、それが肯定される世界となり、今ではプラスの意味に転じた。
闘技場で戦う者は基本サヴァジャーを名乗る。戦闘が関与する仕事が副業になりがちなため。

・レンジャー
ジャンル:戦闘
野外調査の仕事を受けたり、自らモンスターを狩ったり天然素材を売って生活する人。必要物資を取ってきてほしい、と企業や個人の依頼をこなすこともある。戦いの腕ではなく、外で生活する、モンスターを解体する、利益になる野草や鉱石を見つけるなど、知識も必要になってくる。
サヴャジャーたちの中では不人気職。決闘とは違い命がけになることが多く、環境も過酷で数日~数か月帰れないなんてこともよくあるため。

・フィールドワーカー
ジャンル:戦闘
人々の依頼を受けて仕事をする人。所謂冒険者。主に護衛や討伐依頼が多い。レンジャーは野外調査をメインとした依頼が多いが、こちらは人が関わる仕事が多い(いうてレンジャーも依頼をこなしたり、フィールドワーカーがレンジャーの仕事をすることもある)。こなす仕事が違うために職種を分けているが、どちらもこなせる者もいる。
完全に意味が転じた単語。本来はある調査対象について学術研究をする際に、そのテーマに即した場所(現地)を実際に訪れて調査や研究を行うこと。ここでは本来はモンスターや土地の調査のためにあちこち歩き回っていた人たちに、人々が護衛や採取依頼を行うようになり、「フィールド(街の外)+ワーク(仕事)」の意味からも適切だとされこのようになった。

・ヒーラー
ジャンル:医療
野性を利用し人の傷を癒す医療関係者。野性に頼らず薬や物理的処置(手術など)を行う者を医者と呼び、差別化している。医者は怖いがヒーラーは大丈夫、あるいはその逆など、人々の考え方はまちまち。
「だって他人の持つ野性に傷治されるって、お前の力じゃそんなこともできないのかよwww って煽られてるようで嫌じゃん?」
「薬って要するに毒じゃん。そんなもんより俺らが皆持ってる力で治る方が安心じゃね?」

・チューナー
ジャンル:医療
内包する野性に対する医療関係者。身体や精神的な作用をコントロールし、調律する様からチューナーと呼ばれるようになった。現代の精神科に近いが、人間ではなく内包する野性に対して治療を行う。力を制御できない、野性の感情に飲まれそうになる、上手く力が発動しない、などの相談を受ける。野性による病気もここ。
また、カルテを作る、サヴャジャーの健診を行うのもこの人。

・マルチヒーラー
ジャンル:医療
ヒーラー、チューナーの両方をこなす人のことを指す。医学知識の有無は関係ない。この世界だと「万能なヒーラー」といった認識になる。
この他に医者とヒーラーを兼任する者もいるが、多くはどちらかを専攻し専攻している方を名乗っているため、特別な名称はない。


・タクシー
ジャンル:運搬
この世界では車ではなく人。人を別の街や地方に運ぶのだが、外は危険なので基本的に10人~20人のタクシー部隊で構成し運ぶ。人件費がやばすぎるのでかなり高価。この職になるにはサヴァジャーにならなければならない。
定期的に運行するタイプはまだ安価(飛行機の3倍くらいの値段)。といっても多い便でも2日に1回程度。そもそも移動する必要性もあんまない。
不定期便は希望日を提出し、客が多い日に運行が知らされる。知らされた日に、都合のいい人や妥協できる人皆で乗り合わせる。希望日を提出し、行かなかった場合でも特にペナルティはない。
部隊には陸・空・海の3種があり、それぞれ対応した野性を持つ場所へ配属される。

・運送(独自固有名称ではない)
ジャンル:運搬
タクシーの物版。部隊も同じくらい。
大企業が使うため、個人的な配達依頼はフィールドワーカーに頼むことになる。
盗難防止として、送り状に疑似的な追跡機能がある。荷物用のコードをケータイ(その他に記述)に打ち込むと、現在座標を教えてくれる。届いたら配達完了通知もお知らせされる。



■医療
現代医学レベルには発達している。同時に、獣性に影響を与える薬も開発されており、鎮静化させるものから強化させるものまで揃っており、野性による暴走はそこまで起きない(力を求め、活性化させすぎた結果堕ちるということもあるし、万能ではない)。
同時に現代ではなかった、この世界特融の病も存在する。なんなら宿してる野性がかかる病気にかかることもある(鳥の野性持ちが鳥インフルになったり)。
因みに寿命は基本的に人間より短い(亀など長命種は長くなる)が、外見の老いは本来の人間より遅い。老化により力が衰え始めると、一気に弱り果てていく。

以下、一例。

・発狂症
薬剤関係なく突発的に野生が活性化し、調子に影響を与える。別名情緒不安定。
精神的なものから季節的なものまで、原因はさまざま。軽い症状だと好戦的になる程度だが、重い場合無差別に他者を攻撃し、最悪殺害させてしまう。一概に悪とはいえない(条件が分かれば力となりうることもあるため)ため、軽度であれば恩恵と考える者もいる。

・狂獣病
元は狂犬病命名されていたが、獣を宿す人間に同じような症状が出るようになったため、名前を狂獣病と改められた。ワクチンあり。病状が現れれば手遅れなのは変わらず。
戦いで傷を負わせた際に感染させることがある。闘技場で戦うものは必ず事前にこの病を持っていないか病院で診断し、診断書を提出する義務がある。



■歴史
野性を持っていることに対して、この世界の人たちは「人間がモンスターに対抗するために進化した」と教えられるし信じられている。
本来は「野生動物が急速に巨大化・凶暴化し、科学で生きてきた人間はそれに対応できなかった。ある日、人間の間でまるで獣であるかのように思考力の低下、凶暴化する、場合によっては獣のような肉体変化が起きる」といった奇病が流行し始めた(野生動物に起きたことが人間に対しても起き始めた)。
それを逆手に取り、変化する世界に順応するために病を取りいれ、安定化させようとした。結果、成功して人々は野生動物の力を身に内包し、この世界に順応できたとされている。
この事実は古い書物や学者の間では知られているため、調べようとすれば知ることはできる。特に獣静信仰や獣乱信仰の者はこの事実を知っている者がそこそこ多い。
なお、なぜ野生動物がそのように進化したのかは現在でも不明で調査され続けている。その研究よりも日々を生きるための研究や調査に力がそそがれているため、その正体が解剖される日はまだまだ遠い。



■地理
大陸の形は現代とイコール。だけど国名や地形、環境はイコールではない。
陸地こそ広いが街の数は少なく、基本的には巨大化し凶暴化した野生動物たちの巣窟になっている。

〇地方名
・スドナセルニア地方(ヨーロッパ)
でかい国がある、最も人口が多い地方。気候も穏やかで人間が住みやすい(野生動物は極端な場所ほど強いものが多い)。野生動物も一人で太刀打ちできるものが多い。スドナ/セルニア地方で読もう。
名前の由来はなんかヨーロッパの名前を悪魔合体したらこうなった(「ス」イス+「ド」イツ+モ「ナ」コ+「セル」ビア+ルーマ「ニア」)

・ジャニアス地方(日本)
地方っていうか日本。でかめの島。なんなら地方というか、ジャニアス王国。
本来は国や町の中に野生動物は入り込まないようにするが、ここではモンスターが跋扈する中で人が暮らしている。そのため、かなり野性度の高い人間が住んでいる。雨が多く、四季がはっきりしている。
文明レベルは江戸とかその辺。
名前の由来はジャパン+アスター

・サルンナ地方(オーストラリア)
ジャニアスよりもっとでかい島。中心部に国が一つ存在し、後はモンスターが蹂躙している。
闇属性のモンスターがとても多く、その影響で昼でも夜のように暗い。しかし最近R5 R-Catの姫君が誕生し、短時間ではあるが明確な昼が訪れるようになった。これにより、環境やモンスターにも影響が出てきて、モンスターの動きが鈍っただとか弱くなっただとかの報告がある。王国の人にとっては大分住みやすくなった。
名前の由来はサン+ルナ。

・ノルザバーグ地方(ロシア全土くらい)
現実のロシアとは違い、やや寒冷程度で済む気候。大型の動物が多く、スドナセルニア地方よりも強いモンスターが多い。大陸の中に小さな街や村がぽつ……ぽつ……と存在する。そのため無駄に広く、人のいない地方と思われがち。
中には外交をしない街、特定の信仰しか受け入れない村など、閉鎖的な場所も多い。
名前の由来はノーザン+アイスバーグ

・プロアスタル地方(アフリカ)
気温は高めで現在のアフリカと大差ない気候(砂漠やサバンナが大半)。人が住みづらい場所で、ここに住む者は過去に規律を守れず迫害された人間や、守る気がない人間たちばかり。なので治安は終わってる。本当に終わってる。蛮の街や王国はそれでも規律は守ってきた、けどここは無法地帯。犯罪が当たり前に起き、時折結託して他地方の人間へ金品を強奪する者も出る。
名前の由来はプロミネンス+アース


〇国や町
「〇〇地方」の中に主要となる国が一つあり、独立して街や村が点在する。領土としては主要の一国が占めることとなるが、街や村ごとにやり方や中心人物がおり、実質それらも国に等しい。そもそも大陸に対して人が集団で暮らしている場所が少なく、手の入っていないところは野生動物が蹂躙しているような世界のため、領土争いはまず起きない(領土、広げすぎると野生動物に襲われる危険が上がるため、過疎になりすぎないように集落を形成しなければいけない)。
国は全て王国。百獣の王ライオンの言葉をそのまま取り入れたとされている。

スドナセルニア地方
・カルザニア王国(中央都市カルザニア)(元ネタ:ガザニア
おおよそ現在のドイツ。スドナセルニア地方のエネルギー問題どころか隣接地方のエネルギー問題もここが解決しちゃうくらいにでっかい国。世界で最も大きな闘技場がここにあり、名高い大会もたくさん行われる。勿論他にもたくさん闘技場はある。世界の中心になる場所故に「中央都市」とも呼ばれている。スドナセルニア地方の村や都は全てカルザニア領になる。
ここの王族の婚約者は大会で決める。

・ピューム村(元ネタ:綿の学名ゴシピウム)
おおよそ現在のポルトガル。海辺の村で、草食動物が多い。村と言うが人口は多め。勿論海にも巨大・凶暴化した野生動物や魚がいるので泳ぐのは無謀。罠を仕掛けて討伐し、素材を行商することもあるが、基本的には「戦いたくない野生動物が皆と力を合わせて暮らしている」場所なので、戦闘が得意な者は少なめ。

紅闘の都ダオドラ(元ネタ:ジンチョウゲの学名ダフネ・オドラ)
おおよそ現在のポーランド。カルザニアよりも過激派が集い、治安は悪い。獣心信仰が強く根付いており、弱肉強食の街になっている。戦えない者や弱い野性は見下されるため、戦いを苦手とする動物は暮らしていけない……かと思いきや、医療班として需要があるため、戦えない者たちも一定数いる。戦えないかつ医療班でない者への辺りは大変強い。

・静海の街キウム(元ネタ:ブルーベリーの学名バッキニウム)
おおよそ現在のイタリア。穏やかで和やかなピューム村と違い、上品で金持ちが多いセレブ街。獣静信仰が多く、獣に乱されることない上品で人らしい生活をしたい人が集っている。「戦う力がないから協力的」ではなく、「力を持った者が戦うことを野蛮だと唱えている街」が正しい。
「将来キウムに住みた~い」は「将来石油王と結婚して何もせずにだらだらした~い」の意味。


ジャニアス地方
・ジャニアス王国
「竜の血」と呼ばれる者が統制する国。実態はタツノオトシゴの血筋(総じてC5 A-Seadragon(本来はSeahorseが正しいのだが、α変異種が個体として確立され、カルテではこのように綴る))が代替わりで治めている。
簡易的な家しか持たず、文明レベルも高くはないが独自の文化や動植物があり、スドナセルニア地方では治せない病がこちらでは治る、ということはそこそこある。
海か空から国に入るしかなく、ジャニアス地方の海の野生動物は特に凶暴凶悪で入国は大変危険。逆に王はどうにかする力を保有しているため、ジャニアスから外に出るのは(王の力添えがあれば)簡単だったりする。


サルンナ地方
・常闇の王国サルンナ
土地柄闇属性の野性持ちが多いが、思っているほどは多くない。国(というか大陸)は暗いが街の雰囲気は明るく、立場や地位による上下関係が他の地方より甘いため自由奔放なものが多い。自由な国に憧れここまで旅して来るものが時々いるが、たどり着けるのは実力者のみなので街は高ランク野性持ちが多め。
ここの国王はジャニアスのように王族の子が後継ぎになり一つの血筋を守る。ただし『王族の血筋総勢』で国を治めるため、王が複数存在する。婚約者はそれぞれ王族が気に入った者を連れてきて、彼らの身内に認められたら無事婚約。

・漆黒の村クロルリラ(元ネタ:クロユリ
獣乱信仰のみで構成される、サルンナより南西へ進んだ場所にある小さな村。野性に対して反抗する者が、安住の地を求めてここまでやってくることも多い。穏健派と過激派は半々。影に潜むようにひっそりと息をしており、そもそもの存在を知らない者が殆ど。同胞を集めて世界を転覆させる機会を常に伺っている。
それはそれとしてやんちゃしたらサルンナにめっされる。最近はサルンナの王族を拉致る計画がある。


ノルザバーグ地方
・境界の村ウルナヤ(元ネタ:ウラル山脈ナロードナヤ山)
現在のナロードナヤ山らへん。鳥系の野性持ちが住民の9割を占める(鳥系でもなければあまりにも行くのが大変なため)。ノルザバーグ地方とスドナセルニア地方の境界にそびえる山脈であるが、かなり地域性がある村であるため、独自地域性がある街や村を多く持つノルザバーグ地方に属している。
かなりの閉鎖的な村である。その上カラスを始め、社会性を重んじることが多い鳥系の野性持ちが多く住むため、因習も多くよそ者の住み心地はかなり悪い。

・リンガ・ルガリ(元ネタ:ライラックの学名シリンガ・バルガリス)
現在のモスクワらへん。モスクワの気候よりも大分温暖(といっても日本と比べると寒い)。
ピューム村と同じく草食動物で構成された村。ただしこちらはピューム村以上にご近所付き合いが求められ、田舎特融の文化が見受けられる。日本の地方みたいに皆で何かをして助け合う、といった風潮がある。そして肉食動物が立ち入ることも住むことも禁止されている。
こちらはウルナヤと違い、足を運びやすいため村の外から人が来ることは結構ある。ただし草食動物のみ。
めちゃくちゃタリア・ウィス王国(後述)のことが嫌い。

・タリア・ウィス王国(元ネタ:フジの学名ウィスタリア)
現在の中央シベリア(Central Siberian Reserve(中央シベリア自然保護区))らへん。王族は狼の血筋で、婚約者も絶対に狼。狼が治めており、狼国家と言われるほど。草食動物の野性を締め出し肉食動物のみで構成される王国は、獣心信仰が9割を占める。めちゃくちゃ血の気が多い。ダオドラよりずっともっとやばい。蛮も蛮。野蛮蛮ば蛮。
野性に飲まれることをむしろ善としてるし、医者やヒーラーも最低限しかいない。怪我を医者らに診てもらうことは不名誉と考え、自力で野性により向上した自然治癒力で治そうとする。



■犯罪
窃盗罪や器物損害罪などはちゃんとある。
暴行罪など、人に物理的危害を加える罪が甘い(ある場所が少ない)。力で物事を決めることが肯定されており、特に力こそ全ての街ではやられる方が悪いとすら考えられる。あと銃刀法違反的なものもない。
以下の事柄は「この世界特融」かつ「世界共通認識」の犯罪に当たる。

・人体や野性の密売、加工
憑依型の人間から本人の許可なく異形化した部位を捥ぎ、売却や装飾、素材として扱う行為。または契約型の人間の野性を奪う行為。本人の許可がある場合は問題ない。
意図的に野性を暴走させ、異形化させることで素材を得る場合もあり、大変悪質。

・薬物乱用
野性を強化する薬を医師の判断なしに、あるいは過剰に摂取する行為。危険な薬は使用禁止とされているが、これまた密売が行われている。
使用すると大体人間として戻ってこれなくなるので実質死刑になる。
盛られることもある。

・宗教の押し付け
主に獣乱信仰者に対する制約。それ以外にも信仰は野性の扱い方に影響が出ることも多く、押し付けて揺らぎ、野性が不安定になることもあるので禁止行為。宗教活動(別の宗派の者に自身の思想を解き、勧誘する行為。意見として話す行為はセーフ)もだめ。特に社会レベルで影響が起きる大きな活動は規制対象となる。



■細かな世界観詰め(メモ書き)
・ケータイ→通話手段はある。風属性ハト型の嘴には通信能力があるのでそれを加工したもの。嘴に任意のコードを持たせ、任意のコードを持つ者と通話が可能。なので、アプリとか検索とかそういう機能はないが、ラジオはある(闘技場の実況とか聞ける)。
・テレビ→こっちは風属性ハト型の目を使い、映像を映す装置がある。音声は流れないため、ケータイで音を持ってくる必要がある。大変お高いので、一般的には普及していない。
・パソコン→ない。そもそもあまり必要とされていない。
識字率→高くない(地域差が激しい)。最も高い中心都市でも65%くらい(読めるけど書けないが多い。読めないも珍しくない)。
・ファンタジー生物→野性としては存在しない(野性や血筋をファンタジー生物で例えられることはある)。
スラング→あっていいと思うんだよな……ネットスラング、はないだろうけど。腐っても現代世界の派生かつ未来のお話なので、「エモい」だとか「推し」だとか、そういう現代的な言葉はあっていいと思う。
・ランク人口は 1:30% 2:40% 3:20% 4:10% 5:0.1% 程度。
 内包タイプは 憑依:35% 共鳴:55% 契約:10% 程度。
・人口は世界で3億人ほど。人の住んでいない土地、めちゃくちゃ多い。
・スポーツはあることにはあるけど、あまりにも身体能力差がありすぎて明確なルールが設けづらく、そこまで盛んではない。
・学校→義務教育がある方がレア。基本的には10歳までに3年間通学(有料)し、一般教養を身に着ける。この中には戦闘知識や野外活動知識も含まれる。
・成人は10歳から。寿命が短いこともあるが、野性の影響で成長が早い(寿命の長い野性はゆっくりになる)ため10歳で成人。
・三大社会性を重んじる野性 カラス、狼、ハチ(他にもいるけどやばいと有名な3種族)
・牛乳は似たようなものに加工できる植物で代用している。3種類くらいある。
・卵も植物で代用するが、本物の卵(モンスターの卵)を利用した方が美味しい。本物の卵は貴重なため高級品。