海の欠片

わんころがCWのリプレイ置いたり設定置いたりするところです。

運命の天啓亭 1~7

☆はじめに

ツイッターでのプレイ実況と、ほんのちょっとだけリプレイにしたまとめです。

適当な部分でまとめるようにします。

 

 

1.かがち様作『迷い花』

 

 

 

―― 初めて受ける依頼がこれだった。
村の植物を駆除する。この依頼を受けたほかの冒険者は帰ってこなかった。

 

捨て駒にでもされているのだろうか、なんて思ったけど、手におえなければ帰ってくればいいか。それに、たかが植物だ、危険はそれほどないだろう。

……なんて、酷く甘い考えだったと思う。

「そもそも植物を駆除する依頼というものが不自然なのよね。
 いい?何か魔法的な効果か、猛毒を持っているものがあるかもしれない。植物を見かけても、理由が分かるまでは触れちゃだめよ。」

相変わらず頭が固いな、ってティオールを笑い飛ばしたけれど。
ティオールがもし事前にその忠告をしていなければ。

誰かが、『アレ』になっていた。


アレを踏み潰した感触を今でも覚えている。
村での惨事が今でも夢に出てくる。
確かに、収入は多かったけれど。

俺は、俺達は……冒険者というものが、いかに危険と隣り合わせか。
そして、このようなおぞましいものと対峙することもあるのだと。
この依頼で、思い知らされた。
暫く誰も、依頼を受ける気になれなかった。
暫く誰も、植物を見ることもできなかった。

 

 

- ask様作『遺跡に咲く花』

 

 

 

 

―― 著者『エナン』

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2.空冥様作『真昼の星』

 

「お前は必要なかった」

依頼主に、そう言われた。
テセラは本当によくできた弟で。
私が泣いていても、困っていても、いつでも傍に居てくれて私を助けてくれる。
私なんて、いない方がよかったんだ。

ごめんなさい、ごめんなさい。
何度も何度も口にして。

飽きれたように、テセラは私を引っ張っていってくれた。



「俺は太陽なんかじゃねぇよ。
 ちゃんと、星は見えてる。在るって知ってる。」


そう言って笑うテセラが。
暗いこの帰り道で、道しるべのように輝いていた。


―― 著者『トゥリア』

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3.ふゆこ様作『夢を見る塔』

 

仲間が2人、帰ってこない。
さほど難しい依頼ではなかったはずだ。しかも、帰ってこないのはこの宿では多少戦いや魔法の心得がある2人で。

何かあったのだろうか。
事件に巻き込まれたのだろうか。

分からない。
足取りがつかめない。
何の情報も入ってこない。
そもそも駆け出し冒険者の生死など宿に入ってくるものなのか。

……いや、きっと帰ってくる。
だから、信じて待っていよう。


2人、冒険者志願の者がやってきた。
変わった人たちだったが、彼女たちが戻ってくるまで共に仲間になってもらおう。


―― 著者『エナン』
―― ティオール、エクシス、キャラロスト

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4.ゆずきち様作『_6が幻覚見てる』



初めての、冒険者としての依頼。
冒険者とはこのような修羅場をいくつも潜り抜けていかなくてはならないのか。

いくつもいくつも罠をかいくぐり、敵を葬り。
そうして待っていたのは。

―― コカの葉の幻覚症状を患った状態での、意見を合わせる、ゲームだった

 

……僕から言えることは。
疲れた。



―― 著者『エヌ』

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5.花子さんとかの人(罪深い赤薔薇の人)様作『悪魔憑き』

 

……これが、噂には聞いていた……
痴呆という名の、老害、という、やつですか……


最近こういう依頼ばっかりじゃないですか?気のせいですか?
とりあえず、手に入った手紙を届けてあげました。

酷い依頼だった。
こうとしか、書けません……



―― 著者『ファディ』
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6.みん様作『https://twitter.com/wankoro1563/status/1507985018853142530?s=20&t=aRpj9Q-E-Fhn_FaXSqXOlg『日記』』

 

エヌが、引退する者から日記を貰った。餞別だと。
しかしそれは、匂いで人間の身体に潜りこむ魔法生物が込められたものだった。

余が甘かった。
余がもっとしっかりしていれば。
もっと早く気が付いていれば。
エヌは、あのようなことにはならなかった。

ボロボロになったその身体に触れる。
酷く弄られたものだ。

どうして。
この者が一体何をしたというのだ。
何故この者がこのような仕打ちを受けなければならない。



……依頼は、少し待ってもらおう。
せめて、エヌが回復するまで。

……神よ、どうか。
この者に、清き道をお示しくだされ。

 

- がじろー様作『花を巡りて…』



―― 著者『オクエット』

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7.春野りこ様作『ネムリヒメ』


ファディが崖から落ちて目を覚まさなくなった。
一か月、ロクに依頼を受けず仲間に任せてしまうことになった。
……2人が帰ってこない。
また、失うかもしれない。
植物駆除の依頼は、ただただ運がよかっただけだった。

もう、これ以上失いたくない。
何度も何度も話しかけて、道に咲いていた花を飾って。
……やっぱりまだ、植物は苦手意識がある。
けれど、あんまりにもその花が、仲良く咲いているように見えて。
俺達も、また共に咲きたいと思ったから。


……母さんから何度も聞いた、御伽噺。
目を覚まさなくなったお姫様のお話。

ダメ元で試したのだけど。


なあ、ファディ。
何で……あの時、あんな顔をしたんだ?



その理由は分からなかったけれど。
俺達のお話は、無事めでたしめでたしになった。

―― 著者『エナン』

 

 

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